美術品・骨董品役立ちコラム
骨董品・美術品の保存から査定まで:種類別完全ガイド
2023年12月28日(木曜日)本記事では、骨董品・美術品の世界への第一歩を踏み出すあなたのために、種類別の特徴から保存方法、査定基準まで詳しく解説します。また、頼れる鑑定士の選び方や売却方法など、安心して貴重な品物を手放す秘訣も共有します。自宅で眠っている骨董品や美術品の価値を正確に判断し、適切な管理を行うための知識を身につけましょう。
1. 様々な骨董品と美術品の種類
1.1 骨董品の主な種類
日本には数多くの骨董品が存在します。それぞれに歴史や背景があり、一品一品特徴が異なります。以下に代表的な種類をご紹介します。
1.1.1 家具・調度品
骨董品とされる家具や調度品には、金閣寺や銀閣寺に代表されるような仏具や、椅子、テーブル、箪笥や和金具、屏風、扇子などがあります。これらは古い時代から現在に至るまで日本人の生活に根ざしていて、個々の時代背景や技術を具現化した製品として価値が認められています。
1.1.2 湯呑み・茶器
日本独特の文化である茶道用の器も骨董品として高く評価されることがあります。六角忠政や如心斎のような名工が製作したものや、名窯の物は特に評価が高いとされています。特に茶碗や湯呑みはその形状、素地、釉薬などからその時代背景や流派を感じ取ることができ、その美しさから高い芸術性が認められています。
1.1.3 美術書
書道の作品も骨董品の一部とされます。小林一茶の俳句や二条良基の和歌など、その筆致から作者の人間性や思想を垣間見ることができます。また、書道の作品は一種の絵画ともいえるため、視覚的に楽しむことも可能です。
1.2 美術品の主な種類
美術品とされる作品の範囲は非常に広く、絵画から彫刻、工芸品まで様々です。以下に代表的な種類をご紹介します。
1.2.1茶道具(抹茶・煎茶)
茶道具は、茶道に用いる道具の総称です。茶道を行う上で必要な茶道具は用途に応じて以下の5つに分類されます
- 装飾用具 掛軸・花入・香炉などの床の間を飾るための道具
- 点茶道具 茶入・茶碗・茶杓などのお茶を点てるための道具
- 懐石用具 折敷(おしき)・椀・飯器・酒器などの懐石の際に使う道具
- 水屋道具 水桶・茶掃箱などのお勝手で使う道具
- 待合道具 円座・露地草履・煙草盆などの待合や露地で使う道具
茶道具の価値は、希少性、家元の書付の有無、保存状態、箱や付属品の有無、作家の著名度などによって大きく影響を受けます123. 価値のある茶道具には、希少性の高さ、家元の書付の有無、保存状態の良さ、箱や付属品の有無、作家の著名度などが挙げられます
1.2.2刀剣・武具甲冑
骨董品としての刀剣・武具甲冑は、日本の歴史や文化を反映した貴重な品々です。刀剣は、日本の伝統的な武器であり、美術品としても高く評価されています。武具甲冑は、戦国時代から江戸時代にかけての武士の防具であり、その時代の歴史を物語る貴重な資料としても注目されています。
刀剣は、刀身の長さや形状、鍛造技術、刃文、装飾などによって評価されます。また、刀身に刻まれた銘や、刀匠の名前によっても価値が決まります。刀剣の鑑定には、日本刀保存協会や、日本美術刀剣保存協会などがあります。
武具甲冑は、鎧や兜、胴具足などの防具があります。武具甲冑の価値は、材質、製作年代、保存状態、装飾などによって決まります。また、鎧には、家紋や金具の種類、鎧の形状などによって、その時代の流行を反映したものがあります。
1.2.3 彫刻作品
彫刻は素材を削ったり、加工したりして立体的に作られた作品のことで、石や木、金属などが主に使用されます。仏像や彫刻家泉鏡花の動物彫刻、などが良く知られています。その造形美や表現力から、高い芸術性が認められています。
1.2.4古美術(日本)
古美術品は、美術品の総称であり、骨董品よりも美的鑑賞に重きを置いた作品です1. 古美術品には、書画、彫刻、陶磁器、家具などが含まれます。
骨董品とは、製造から数十年~100年以上経過した工芸品や美術品の総称であり、古美術品も骨董品の一種です2. 古美術品は、美的鑑賞に重きを置いた作品であるため、骨董品よりも価値が高い場合があります。
1.2.5日本画
日本画は日本独自の画風や技法、素材を使用した絵画のことを指します。琳派や南画といった様々な流派が存在します。色彩が豊かで、日本の自然や風景、人々の生活を描きます。狩野山楽や円山応挙の作品は特に有名です。
1.2.6 洋画
洋画は西洋を起源とする絵画を指します。油絵が主であり、一部の作品では水彩やパステルも使われます。主に人物画や風景画、静物画などが描かれます。日本の洋画家では小堀鞆音や横山大観などが有名です。
2.骨董品・美術品の適切な保存方法
骨董品や美術品を長期間保存したい場合、適切な管理が必要です。ここでは、温度と湿度管理、火災や地震からの保護、日光からの劣化の防止等の点で、注意すべきポイントを解説します。
2.1 温度と湿度の管理
骨董品・美術品は、適度な温度と湿度によって、その価値を維持します。一般的に、最適な温度は20~25℃、湿度は45~55%と言われています。しかし、この値はあくまで目安で、種類によって異なる場合もあるため注意が必要です。
例えば、日本画や古書の場合、乾燥を防ぐため湿度60%前後が適しています。一方で、洋画や西洋の銀製品は湿度を下げて40〜50%に保つことが重要です。
2.2 火災・地震からの保護
日本は火災・地震が多発する国であることを考えると、骨董品や美術品を防災対策として適切に保存することが重要です。これに対して、ガラスケースや特製のケース等に入れて保管したり、耐震対策として框に固定したりする方法があります。
2.3 日光による劣化防止
直射日光や蛍光灯の光は骨董品や美術品を劣化させる可能性があります。これを防ぐためには、直射日光が当たらない場所に置く或いはUVカットした窓ガラス等を通して光が入るようにすると良いでしょう。特に、色彩豊かな日本画や絵画に対しては、注意が必要です。
3.骨董品・美術品の査定について理解する
3.1 骨董品の査定基準
骨董品の査定基準は大きく分けて三つに分けられます。種類と年代、保存状態、そして希少価値がその基準となります。それぞれ詳しく解説していきましょう。
3.1.1 種類と年代
骨董品はその種類と年代により価値が大きく変わります。例えば、江戸時代の火鉢はその美しい意匠と歴史的な価値から評価されます。一方、明治時代のティーセットは西洋との交流の歴史を感じさせ、それ故にこちらも価値が見いだされます。
3.1.2 保存状態
骨董品の価値を左右するもう一つの要素は、その保存状態です。破損や汚れがないことはもちろん、適切な温度や湿度で保存されていることもその価値に影響します。
3.1.3 希少価値
そして最後に、その希少価値も骨董品の価値を大きく左右します。生産数が少ないもの、製造元が特定できない稀有なものは高額な査定額が付くことがあります。
3.2 美術品の査定基準
美術品の査定もまた、その作者と作品の評価、作品の状態、そして市場価格が主な査定基準となります。
3.2.1 作者と作品の評価
美術品については、その作者と作品自体の評価が非常に大きな影響を与えます。例えば、日本画ならば横山大観や竹内栖鳳、洋画ならばアンリ・マティスやマルク・シャガルなど、その作者名が価値を左右します。
3.2.2 作品の状態
美術品の価値を左右するもう一つの要素は、その作品の状態です。絵画であれば色褪せや破れ、彫刻であれば欠け或いは割れ等がないかが調査されます。
3.2.3 市場価格
ヒロシゲの浮世絵や西洋美術のルネッサンス期の作品など、その作品がどれだけ市場で引き合いが多いかも大きな要素となります。
4. 骨董品・美術品の売却方法
個々の価値を持った骨董品や美術品を売却する際には、適切な手段を選ぶことが非常に重要です。その選択が骨董品・美術品の適正な評価や、これらのアイテムに対する価格を大きく変動させるからです。ここでは、骨董品や美術品の売却方法について詳しく解説します。
4.1 直接買取のメリットとデメリット
直接買取とは、骨董品や美術品を専門的な買い取り業者に売却する方法を指します。業者が鑑定士を抱え、鑑定士が骨董品や美術品の価値を評価し、その評価に基づいた価格で買い取る形となります。一般的な骨董品買取店や、相場が高騰しているブランド品を取り扱うブランドショップなどさまざまな場所で可能です。
ポイント | |
---|---|
スピード感 | 買取申し込み後、スピーディに査定・買取までが進む。 |
シンプルさ | 業者がすべての手続きを行うので、手続きの手間がない。 |
価格 | 一部の専門性の高いアイテムは、一般的な買取業者では適正価格をつけられないこともある。 |
4.2 オークションへの出品のメリットとデメリット
オークションとは、複数の競争参加者が、最高の価格をつけるまで価格を競る形式で骨董品や美術品を売却する方法です。ヤフオクやラクマ等のネットオークションから、より本格的なChristie’s(クリスティーズ)やSotheby’s(サザビーズ)等の実物オークションまで、様々な種類があります。
ポイント | メリット | デメリット |
---|---|---|
価格 | 競ることにより最高金額で売却できる可能性がある。 | 一般的なアイテムや需要の少ないアイテムが高額で売却される可能性は低い。 |
時間 | オークション自体の時間や、その前後の手続き等で時間がかかることが多い。 |
4.3 鑑定士の選び方
骨董品や美術品の買取業者を選ぶ際や、査定を依頼する際には、その鑑定士の選び方も重要となります。信頼性や専門性は勿論のこと、査定精度や査定の早さなど、具体的なサービス面も見るべきポイントです。
5.まとめ
骨董品・美術品の種類や保存方法から査定に至るまで、骨董品・美術品を適切に取り扱い、価値を正しく理解することが求められます。また、売却方法によって得られる利益にも大きな差があります。
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