【茶道具】【骨董品】2024年2月 買取査定で出張訪問いたしました。
藤美堂店主です。
茶道具・骨董品(古美術品)買取査定のために河内長野市の某宅へに出張訪問いたしました。ご依頼品は茶道具と骨董品です。
以前に藤美堂で買取をさせていただいた茶道教授からのご紹介でした。
「茶道を引退する」というご事情で少しづつ茶道具の整理をしたいというご希望でした。コロナ禍以降、藤美堂にも茶道具の整理依頼は非常に増えています。
古き良き茶道ですが、社会の変化、生活様式の変化などで、後継者不足により、この20年ほどは茶道人口が減少しています。それに合わせて茶道具屋さんも減少してきました。古美術品の中でも茶道具は“総合芸術”と呼ばれており、最も鑑識眼の必要なジャンルであり、茶道具商は目利きと呼ばれる方が多いです。そんな方々が経営難で継続が難しくなっているのは同業者として非常に残念です。
今回のご依頼品は主に作家物の御道具でした。作家物の代表格は千家のお抱え職工である千家十職です。茶道具の最高峰職工の千家十職の中でも、最も高価なものは、現在では、茶碗師の楽吉左衛門の茶碗です。市場相場として黒茶碗で50~100万円、赤茶碗で30~50万円はします。買取査定価格はこの市場相場が現在のスタート価格と考えて良いでしょう。あとは、作品の出来や状態などで査定額は変動します。
お見せいただいた楽茶碗は、2つございましたが、1つは状態が良いものでした。大きな傷もなく、箱も綺麗な状態。ただ、もう1つは残念なことにヒビが入っている状態でした。茶道具は、骨董品よりも状態が非常に重要です。実用器ではありますが、道具拝見という儀式もあります。状態が悪いと価値は大きく減ってしまいますので、査定価格も低くなってしまうのはやむをえません。それは付属の箱も同様です。
ただ、茶道具は全美術品・骨董品の中でも、査定価格は高額な方です。御稽古道具でも数千円から数万円するものもありますしね。当店でもお稽古道具だけでまとめて数十万円の査定価格をつけたことは今まで珍しいケースではありません。先程の楽吉左衛門の茶碗でも、昔の代の稀少性の高い茶碗であれば年代価値も加わりますので、1000万円を超えることもあります。
今回のご依頼品は作者物でしたが、作者物の場合、その作者がいかに市場で人気があるかどうかが評価のポイントになります。世の中でそれを欲しいと思う人が多ければ多いほど人気があるというわけですので高額査定となります。
茶道具は専門性が最も高い分野の一つなので、信用のおける美術商にしっかり鑑定・査定していただいて、納得のいく整理をされてください。
続いて、骨董品(古美術品)のお話ですが、ご依頼いただいた骨董品(古美術品)は壺ほか焼物など7点でございました。骨董品(古美術品)のジャンルの中でも壺はいまだ根強い人気があります。一般の方のイメージでも骨董品と聞くと、真っ先に壺とイメージされる方が多い印象を受けています。
骨董品(古美術)の中でも壺は最も歴史が古く、縄文土器、弥生土器にはじまり、長年の間、日本人を支え続けてきたものと言っても過言ではありません。壺は実用品であり、つまりはうつわの一種です。貯蓄するために弥生時代以降は丈夫につくられました。それ以降、鎌倉時代くらいまでは美術品という位置づけよりも生活品といった意味合いが強いものだったと思います。室町時代以降は権力者が文化に傾倒していったことから、実用品としてだけでなく、装飾品としての価値も高まりました。床の間に飾られたり、したわけですね。
骨董品(古美術)の中でも壺に代表される最も古い焼物として6つの窯があります。6つの古い窯なので、六古窯と呼ばれ、年代の値打ちとしては非常に高いものであります。常滑、瀬戸、信楽、備前、越前、丹波の6つ。中でも信楽・備前は比較的人気が高いほうです。信楽の大壺や、きゃしゃなサイズの通称“うずくまる”(人がうずくまっているような形だから)は市場評価でも数十万円は下りません。出来の良いものになると数百万円もします。それだけファンは多い、人気が高いと言うことですね。
備前(骨董品)も大人気です。備前の波状文様が入った時代の作品は特に人気。最近は生活様式から、種壺と呼ばれるきゃしゃなものの人気が高まってはいます。また、備前の土には消臭効果があることから、花入としても珍重されておりまして、備前の花入れの需要はいまだに高いです。とても人気。
この度のご依頼品の中でも特に信楽の壺は非常に出来がよく、時代もしっかりあり、高額査定となりました。壺は骨董品の原点のようなジャンルでありますが、私も歳をとると年々好きになってきます。本当に味があるんですよね。ずっと眺めていても飽きません。
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