店主ブログ

vol.10『北斎展 ~富士山と東海道~ in久保惣記念美術館』

北斎展。久保惣美術館。藤美堂。
2021年5月2日(日曜日)

“一粒万倍“な絵、それがHokusai。

『北斎展 ~富士山と東海道~ in久保惣記念美術館』に行って参りました☆彡。

北斎展。久保惣美術館。藤美堂。

久保惣記念美術館は、関西屈指の美術館。国宝2点、重要文化財29点、所蔵総数10000点以上で、私設美術館としては日本でも屈指の美術館のひとつ。所蔵されている浮世絵の優品の数々は見事で、開催されるたびに私も訪問させて頂いておりまして、これまで何度も楽しませて頂いております。大好きな美術館のひとつです。

さて、突然ですが、、、、、

※出典;Japaaan https://mag.japaaan.com/archives/94438/1000_reverse)

2024年から発行される新1000円札の裏面。「めちゃくちゃかっこいいな」と私は思っています。新札の発行ニュースでこれを見た時、なんだかゾワゾワっと鳥肌が立ちました。葛飾北斎は世界で最も有名な日本人のひとり。フランスやアメリカの大博物館・美術館の展覧会が開催されて人気を博しているくらいの人物です。きっと、新札が発行されたら世界的にも“cool”だと話題になるでしょう。

今回の展覧会のテーマは東海道と富士山。

今回見てもつくづく感じたこと。それは、北斎の絵はとっても“ストレスフリー”だということ。

たくさんの建物、色使い、人物、景色と情報が多くなればなるほど、美術鑑賞は疲れるんですよね。ないですか?見終わってどっと疲れること。。。。ところが、北斎の作品は、疲れない。

それはなぜかというと、“仕組んでくれている”作品だからです。

富嶽三十六景に描かれている富士山は、どれもこれも小さくて控えめ。でも、確実に、適度な時間で、その富士山に目が行くように設計されています。1枚1枚、絵全体を見ているうちに、“すぅ”と富士山に目がいきます。

例に挙げて見ましょう。例えば、「武州千住」。

※ポストカードより
※手書きで矢印をデッサンしてみました。

こんな感じです。富士山への見えない→(やじるし)がひかれていて、いつの間にかやさしく引き込まれるような感覚です。

それが三十六景。全てその感覚になれます。何枚見ても、見た人にストレスを感じさせない。本当に素敵だと思います。あと、富士山が見える関東近辺の人々の生活(北斎が生きた化政文化は大江戸文化)がよく分かる文化的資料でもあります。さらには、数学者でもあり、黄金比、フィボナッチ数列、指数関数なども巧みに使用されています。葛飾北斎の富嶽三十六景は、芸術としても、設計図としても、文化的資料としても、幾何学書としても、1粒で実は何度も楽しめる、“一粒万倍”な美術品ではないかと私は思います。

富士に“認められた”画家のパイオニア。

こちらの絵をご覧ください。

(出典:https://commons.wikimedia.org/)

※『神奈川沖浪裏』 (出典;神奈川沖浪裏 – Wikipedia

上は北斎46歳の頃、下は72歳の頃。80歳になってから絵を描くために歩いた距離は250キロの距離を4往復。「70歳までの絵はとるに足らないもので、73歳にして動植物の絵をちゃんと描くことができる。80歳ではさらに成長し、90歳で絵の奥意を極め、100歳で神妙の域に達する」と北斎は自らのライフプランを明言していたそうです。

巨匠と呼ばれる画家は年々深みを増して、晩年期に入るほど素晴らしい絵を描く画家は多いと思いますが、北斎の成長意欲、絵を描く気迫は群を抜いていると思います。

では、その意欲の源はなんだったのか??。私見ではありますが、それは“富士山への強い憧れ”だったのではないかと思っています。北斎は生涯を通じて多くの富士山を描きました。

私は葛飾北斎を考えるとき、『富士山』で有名な片岡球子の言葉を思い出すんです。片岡球子は日本三大女流画家の一人ですが、こんな言葉を残しています。「わたしは心の中で富士にしょっちゅう怒られている。だからこそ、私は富士を描きたい」。その憧れの存在に認められたいという純粋な思い。

そういう意味で、葛飾北斎は富士山に認められた画家の“パイオニア”であったと私は考えています。

『神奈川沖浪裏』で眼前に見える波は海外で「ビッグウェーブ!」と称賛されたそうですが、世界の人々は「この山はなんという山だ?」と気になったことでしょう。世界に「マウントフジ」が知られるきっかけになったことは間違いありません。

北斎の最後の作品となった『富士越龍図』。眼前の雄大な富士の背後に、悠然と天に上る龍の姿が描かれています。

葛飾北斎の作品の中で、富士が眼前に堂々と描かれている作品はほとんどないんです。最期に、「富士に認められたと感じたんだろうなぁ」と想像しています。その描かれた龍の眼差しを見ていると、そんな気持ちにならざるをえません。そんなことを色々と考えながら、今回の展覧会は、約2時間半・館内7周もしてしまいました。葛飾北斎について、あらためて思いをはせられる幸せな時間でした。

21春・北斎展、本当に貴重な体験をありがとうございました。 

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