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vol.14『GIGA MANGA ~江戸戯画から近代漫画へ~ in 神戸ゆかりの美術館』

神戸ゆかりの美術館。戯画、漫画。藤美堂。
2021年5月28日(金曜日)

MANGA、それは歴史の“立役者”。

『GIGA MANGA ~江戸戯画から近代絵画へ~ in神戸ゆかりの美術館』に行って参りました☆彡。

神戸ゆかりの美術館。戯画、漫画。藤美堂。

今回のテーマは、漫画。マンガともいいますし、MANGAともいいます。その昔は、戯画(ぎが)ともいいました。戯とは、たわむれる、面白がるという意味です。漫画や戯画というものは、歴史的には、最初は特権階級の余興だったんですが、時代が経つにつれて一般庶民の娯楽へと広がっていったんですね。

今回の展覧会では、戯画・漫画の歴史、そして、それぞれの時代を彩った作品の数々を堪能することができました。今回の展覧会はその作品数の多さに驚いたのと、撮影がOKな懐の広さに感動しました。神戸ゆかりの美術館さまには、感謝、感謝です。ですので、今回は撮影させて頂いた写真(転載厳禁)を少し掲載しながら話を進めていきたいと思います。

まずは、これなしには語れない。戯画・漫画の原点。それは、平安時代の「鳥獣戯画(ちょうじゅうぎが)」であります。国宝に指定されている世に有名な美術品です。

※国宝「鳥獣人物戯画」。京都・高山寺に伝わる。

生き物たちの面白おかしい様子が描かれていますよね。見ていると、「くすっ」としてしまいます。この絵の様子は、平安時代・藤原貴族政治の堕落した様子だとされていまして、蛙は僧侶、兎は貴族を表していて、それぞれが遊びほうけている様子、そしてその力関係も表現されています。“世を皮肉った”ものであり、これが以後、漫画の大きな流れとなる“風刺(ふうし)”と呼ばれるものになります。

※川鍋暁斎「化々学校」1874年。1872年に学制が施行され、西洋式の教育がはじまった。地獄や妖怪の世界が、文明開化の運動に遅れまいと合同で化々学校を開設している様子。教師たちは洋服を着て、鬼たちを教育している。閻魔大王の姿も見える。明治の急速な文明開化を風刺している。

この“風刺”というものは、お上に対する“庶民の最大の抵抗”といえるでしょう。日本の長い歴史でも、お上に虐げられていた庶民は、この“風刺”を見てクスっと笑い、心がスカッとしたことでしょう。そういう意味では、戯画・漫画は世の中の平和に貢献した、歴史の裏の立役者であると私は思うんですよね。庶民にとっての“憂さ晴らし”(ガス抜き)というやつですね。古代エジプトにも紀元前1000年頃の動物戯画があって、堕落した王政の風刺になっています。そんな大昔から、最近ではバンクシー作品まで、実は“風刺”の歴史は世界中の人々にとっても、とても古くて根強いものであると思います。

アニメーションの原点は、Hokusai。

“風刺”が時代のワンシーンを切り取った“写真”だとすると、戯画・漫画にはもう一つの大きな流れがあると私は思っています。それは、今のアニメーションに通ずる“動画”の流れです。

※「北斎漫画」(今回の展覧会にて撮影させて頂いた1枚)

これは、江戸時代の浮世絵師・葛飾北斎の作品。最初にこれを見たときは高校1年生の時でした。当時、教科書にパラパラ漫画を書いたりするのが流行っていた頃だったので、「江戸時代にすでに書いている人がおったんや!」と本当に驚いたのを覚えています。。これをきっかけに北斎にハマり、今でも最も好きな画家の一人であります。この葛飾北斎が描いた『北斎漫画』は今のアニメやユーチューブなどの“動画”の源流といえるでしょう。この“動画”は、明治以降の西洋化の流れによって一気に花開くことになります。

江戸幕末に来日したイギリス人のチャールズ・ワーグマンが、母国の漫画雑誌『パンチ』を真似て、日本で初めての本格的な漫画雑誌『ジャパンパンチ』を創刊しました。その『ジャパンパンチ』を、よりストーリー性の高い漫画雑誌にしたものが『東京パック』とその子供版『子供パック』。これこそまさに、今のジャンプやマガジンのご先祖様になるわけです。

『北斎漫画』の動く漫画の流れに、ストーリーをもたせたのはまさに革命。今から見たら当たり前のように思われるかもしれませんが、これ、もの凄いことだと思います。架空の動く人物に、感情移入して、泣いたり、喜んだりしてしまうようになった。のらくろ、タンクタンクロー、その後手塚治虫へ。

『北斎漫画』からはじまった“動画”の流れは、ストーリーによる革命を経て、現代のアニメーションへと昇華されていくのでした。

やっぱり、漫画は素晴らしい。

日本の漫画・アニメは世界でも大人気となる作品がたくさんあります。『ドラゴンボール』『ワンピース』など、世界中に本当に多くのファンがいますよね。私はジャンプ世代でありまして、中学生・高校生の時には、毎週毎週が待ち遠しくて仕方ありませんでした。

この歳になって、あらためて漫画・アニメにハマるとは思っていませんでしたが、我が子をきっかけに『鬼滅の刃』を楽しみ、今は『ドクターストーン』にハマっています。これらの作品は、“動画”の流れはもちろんですが、“風刺”の流れも汲んでいるなぁと感じています。鬼の世界は人間世界の写し鏡、兄弟愛・親子愛の大切さ、今の科学文明を当たり前に受け入れすぎていないかなどを感じさせられ、今ここにきて、“動画”の流れと“風刺”の流れが大きな一つの流れとして融合してきているような気がします。

漫画というのは「漫画ばっかり読んでないで・・・・」なんて、ともすると悪いイメージがあったりするものですが、今回あらためて、漫画は本当に素敵だなぁと思いました。なぜなら、面白おかしく、ときには涙するくらいの感情で、世の中を知ることができるから。もちろん、作品にもよるかもしれませんが、今、この歳になってあらためて、もっともっと漫画を見直してみようと思います。

今回も貴重な体験をさせて頂きまして本当にありがとうございました。

神戸ゆかりの美術館さまに、感謝、感謝です。

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