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vol.2『源氏物語の絵画 伝土佐光信『源氏系図』in中之島・香雪美術館』

中之島香雪美術館の源氏物語展での藤美堂
2021年3月4日(木曜日)

源氏物語の絵・源氏絵の原点である土佐派

「源氏物語の絵画 伝土佐光信『源氏系図』をめぐって  in香雪美術館」に行ってきました。

中之島香雪美術館の源氏物語展での藤美堂

日本人であれば、一度は聞いたことがあるはず“源氏物語”。

主人公・光源氏(ひかるげんじ)の栄枯盛衰を描いた、日本文学の中で最高峰とされる長編恋愛小説です。

「最高峰なんだ?!」と思われる方もいらっしゃるでしょう。人によって良いと思うか?!悪いと思うか?!は、たしかに違います。それを承知で、わたしなりの見方を申し上げますと、それは「いかに後世に影響を与えているか?」ということだと考えています。

かの千利休が“わび茶”に目覚めたきっかけ、松尾芭蕉が俳句を大成したきっかけも、源氏物語の世界観が実は大きく影響していたんですね。

日本の四季折々の美しさ、権力者の栄枯盛衰、身分や立場を超えた色恋沙など、現代の日本人の感性にも響く名作が源氏物語だと思います。今に映画化されても、それはそれは面白いでしょうね。

そんな魅力たっぷりの源氏物語ですが、そのストーリー54話を絵画にしたのが“源氏絵”と言われるものです。

源氏物語が生まれた平安時代から今日まで、約1000年もの間、たくさんの画家が、星の数ほども描いてきた“源氏絵”。

その原点と言えるのが、“土佐派”の描く“源氏絵”であります。

源氏絵に描かれたクールビューティー

“土佐派”は、国宝・源氏物語絵巻の作者とされている藤原(春日)隆能の子孫であります。土佐派は“大和絵”と呼ばれる日本らしい絵画を描くのを得意としておりました。土佐派が描く大和絵の代表作の一つが源氏絵と考えていただければいいと思います。描かれる顔の特徴は“引目鉤鼻”、はんなりとした衣装、たたずまい、などなど。なんとなく昔の人たちの顔を想像すると思い浮かぶ顔は、まさにこの大和絵で描かれる御顔立ちに由来しているといえるでしょう。

ちなみに、この“引目鉤鼻”は絵からすると、「本当に美人なの!?昔の美人と今の美人は違うわね、、、」と思われるかもしれません。ある研究では、昔の引目鉤鼻の顔を現代技術で再現すると、今でいうクールビューティーと言われる方々のお顔と非常に似通っているらしいです。つまり、時代を超えても美人さんは美人さんで変わらないということでしょうか。ただ、今よりもふくよかな体系であったようで、またそれが裕福さの証としても良しとされた時代だったようではあります。ここは現代とは少し違うでしょうね。

なのでこの絵は非常に簡潔に特徴を表した絵であると言えるでしょうね(人物を大きく描くという絵画手法が定着していったのは近世以降です)。

■引目鉤鼻 ※コトバンク

日本文学・日本絵画の原点を見られるという意味では、この展覧会は非常に貴重な作品の数々を見ることができる有難さがあると思います。

特に、展示されている屏風は本当に見事なので一見の価値アリです!

見ていると少しゆったりとした空気感で、気品のある雰囲気にとても癒されました。

とても楽しかったです。貴重な体験、ありがとうございました☆彡。

 

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