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美術の余談 NO.7 「千の色をもつ焼物」 ~青磁(中国美術)~

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2021年2月5日(金曜日)

「千の色をもつ焼物」。ひびきがすごいですよね。色々な世界で、百の顔をもつとか、例えられるものもありますが、千です、千。

ちなみに“CHINA”は中国ですが、もう一つの意味は、“焼物”という意味があるのはご存知でしたか?そうなんです、それだけ焼物と言えば世界的には中国を指し、中国美術なんですね。その中国美術の焼物の中でも代表的な焼物のひとつに、「青磁」と呼ばれる青みがかった焼物があります。その「青磁」こそが「千の色をもつ焼物」の正体であります。

古くは中国後漢の時代より約2000年の歴史をもつ焼物。

青磁・・・青い色の磁器なのですが、青色といいましてもこのように色々あります。百聞は一見にしかず、まずは以下のリンクでご覧ください。

青磁 – Google 検索

お分かりいただけたかと思いますが、青色にもこれだけの色合いがあるんですね。

では、2000年の歴史の中でも、最も輝いていた青、、、最高の青であったと言われる時代はいつであったか?

それは、“宋”の時代であります。日本で言いますと平安時代から鎌倉時代にかけての、今から1000年ほどの前の時代ですね。その頃、北宋、南宋と王朝が分かれたりもしましたが、その“宋”の時代の青は最高の青い色とされ、世界的なオークションでも数億円以上で落札されるような大物であります。その時代の色合いは、もう二度と出せないんですよね。美術の世界というのは不思議なもので、時代の進化と必ずしも歩幅を合わせて進化しているとは言えません。刀剣でも細工物でも、焼物でも、現代に復元できないものが実はたくさんあります。それはその時代の風土、気候、作業工程など、色々な要素が相まってできた唯一無二のものであります。だからこそ、未だに、その品物を欲しがって、数億円以上の値打ちがつくという話になるわけです。

例えば、この『青磁鳳凰耳花生 銘 万声』南宋時代の逸品。日本の数少ない焼物の国宝品の中のひとつです。これが値の対象になることが今後あれば、それはそれは世にも恐ろしいことになるでしょう。

■国宝「青磁鳳凰耳花生 銘 万声」 中国・南宋時代(13世紀) 龍泉窯  ※和泉市久保惣美術館所蔵

このの時代から明、そして清の時代に入るくらいまでの約500年くらいの間が、青磁の全盛期の時代と言われます。美術品の値打ちとしても非常に評価は高く、数千万円から数億円以上で落札されることも多々あります。

ちなみにプロの専門市場で日常に売買される青磁は多々ありますが、やはり色味がくすんでいたり、焼き上がりが弱かったりするものがほぼ全てになります。そういうものであれば、数万円から数十万円ほどで簡単に入手することができます。当店でも査定や鑑定で日常的にお目にかかるものです。

しかし、100万円を超えてくるものは、なかなかお目にかかるものではないですね。そういうものは、時代が明など良い時代のものにかかってることは多く、色味もとびきりとは言えませんが、良き色合いが出ているものになってきます。ましてや、1000万円を超えてくるものは、まず市場にはなかなか出回ることはありません。我々でも数年に1度、見れるかどうかです。

今日は、中国美術の焼物=青磁の余談でした。個人的には、青磁は非常に好きな焼物なので、毎日のように良き出会いがないかと祈っております。【店主】

 

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